こんにちは 三浦真弓です。
卒業式が近くなると…
自分がかつて学校で仕事をしていたときのこと…
色々思い出します。
中でも就職してまだ数年のときのMちゃんには
中学生を誉めるというか、認める難しさを
教えてもらいました。
それは…
あと4日ほどで卒業式という3月始めのことでした。
その頃は、今ほど、個人情報がどーのこーのとは
言われていなくて
保健だよりにも、
1年間(または3年間)欠席せずに頑張って登校した人とか、
身長が1年間でたくさん伸びた人ランキング!
なんていうのを載せていました。
でも、そろそろそういうのは、どうだろうね~?
名前が出て、嫌な気持ちになる生徒もあるかも知れないね
ということで、主事の先生と話し合った結果、
保健だよりには載せないことにして
担任の先生にだけ、
「先生のクラスのお子さんはこんな感じですよ~」って
お伝えすることにしました。
そして、たまたま帰りの会の前に、
廊下ですれ違ったMちゃんの担任の先生に
「先生のクラスで、
1年間今日まで休んでいない人は○○さんと、△さん、
3年間休んでいない人はMさんです」
とだけ、お伝えしました。
すると
「へ~そうなの? Mは3年間か~すごいなぁ」
といわれ、教室へ向かわれました。
その翌日
「先生、しまった~ Mが休んだ!」
「え? 急に…どうしたんですか? 昨日元気そうでしたよね」
「うーん。多分なんだけど…
昨日、帰りにMが3年間休んでいない話きいただろ?
つい、帰りの会で、みんなの前で
『すごいな~』って、誉めたんだよね…
あれが、まずかったかも」
「え? あ… そうなんですか」
確かに、Mちゃんは、まじめでいい子ではあるけど
みんなの前で誉められたからって、それで休んだの?
その翌日
「先生、今日はMきた」
「来ましたか~どんな感じですか?」
「まったく普通。全然体調悪いようにはみえん」
「そうですかー。じゃあ昨日は…」
「わからんけど、聴けたら聴いてみるわ」
ということで、Mちゃんの担任の先生は、Mちゃんを
密かに呼んで、聴いてくれました。
すると
「自分の中学校の目標として、3年間休まないって
決めていて、誰かに誉めてほしいとか、そういうことは
ちょっとも思っていなかったんだけど、教室で先生に
『3年間休んでなくて、すごいな~』って誉められて
みんなにも、『すげ~』とか言われて
そういうこと言われたくて、3年間休まなかったんじゃ
ないよな~って思ったら、
なんか昨日は学校に来れんかった」
そうか~
そうだったのか~
これ、相手によっては、もしかしたら
「そうでしたか~でも、自分が休まないって決めたんだったら
周りの人がなんと言おうと、自分の思いを貫いたらいいんだよ」
というような、言葉をかけることもあるかも知れませんが
Mちゃんに対しては、担任の先生と一緒に
Mちゃんの気持ちや考えに想いを向けることなく
不用意に誉めてしまったと、反省しきりでした。
この場合、みんなの前で誉めるんだったら
やっぱり、卒業式の日に、
「3年間休まなかった。すごいなー」
とすればよかったですね
大人でも、
プロジェクトに取り組んでいる途中で
頑張っているのをじゃんじゃん誉めた方が、
どんどん頑張れるタイプの人と
結果を出してから、さらっと「すばらしいね」と
誉めた方が、相手にとって嬉しいほめ方になるタイプの方が
いらっしゃいます。
思春期まっただ中の子どもたちの心境は
もっと複雑だわ~
誉めるのであれば
じっくり子どもの思いをくんで、誉めてあげないとね
そもそも、誉めてほしいと思っているかどうかは
また、別の話ですし。
そんなことを学ばせてくれたMちゃんでした。
本屋さんには
「誉めて延ばす」
みたいな本が、たくさん出版されています。
親・大人主導ではなくて、
相手のことを考えて「誉める」ってどういうことか
一緒に考えていきましょう♪